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「江戸近郊道しるべ」とは

「江戸近郊(えどきんごう)道しるべ」は、文化・文政から天保期の頃(19世紀前半)、江戸の九段に住む清水徳川家の家臣村尾嘉陵(むらお かりょう)が,勤めの合間に近郊をたずねた日帰り散策の記録です。嘉陵は徳川御三卿の一つ清水徳川家の広敷用人(職務は基本的に将軍や藩主以外の男性の出入りが禁止である大奥と外との取次である。 Wikipediaより)を勤めた人です。この紀行文が書かれたのは1807年から1834年までの間で、本人は60代を挟んだ前後ですから、当時としては老人といえる年齢の作です。なお、嘉陵は号であり、名は正靖、通称は源右衛門です。

国会図書館には著者自筆本があり、同館には写本もあります。又、内閣文庫にも写本があります。自筆本は、 国会図書館デジタルコレクションからアクセスすることができます。

このサイトでは

「江戸近郊道しるべ」には当時の江戸の様子が細かく書かれていますが、図版としては地図が主で風景などはあまり多くはありません。そのため、このサイトでは、当時の風情を知るため江戸名所図会や絵本江戸土産などの図版を使って昔の様子を再現してみようと思っています。その際、私が過去に書いたページブログなどにもリンクし、詳細が分かるようにしてあります。また、ところどころに現在の写真も挿入してあります。

ここでは、国立国会図書館デジタルコレクションの自筆本から対象部分を掲載しますが、虫食いなど痛みが多く読めないところもありますので、平凡社の東洋文庫になっている朝倉治彦氏編注の「江戸近郊道しるべ」にかなり頼っています(虫食いでないところも)。

江戸近郊道しるべの記載を「**」の形式で引用しながら書きすすめますが、その際、古文に慣れていなくてもある程度意味が通じるように、本文の旧仮名遣いを現在の仮名遣いに直したり、漢字・仮名を変更したり、送り仮名を修正するなど原文に若干手を加えています。ただし、あまり徹底していませんのでご容赦ください。

ご指摘、コメントなどありましたら、メールでお願いします。下のアドレスの#を半角@に替えて、送ってください。
   tackarax#yahoo.co.jp

なおここで用いた図で特に断りのないものは、国立国会図書館からダウンロードしたものです。写真は私が写したものが中心ですが、街歩き仲間の写真も少し借用しています。原則として、図・写真をクリックすると拡大、本文のリンクをクリックすると私の関連するサイトにジャンプ、としています。

又、本サイトを作るに当たり、非常に多数の資料、ホームページを参考にさせて頂いております。ここに厚くお礼を申し上げます。

目次(ページの構成)

朝倉治彦編注による平凡社東洋文庫の「江戸近郊道しるべ」の目次に従い、下のように4つのパートに分けて整理しようと考えております。

書き始めたばかりで、内容は非常に少ないのですがこれから徐々に増やしていくつもりではおります。


西郊:江戸の西側 (一部着手)  

 ・  府中道の記  (四谷~布田~府中 六所宮=大國魂神社 他)
 ・  谷原村長命寺道くさ
 ・  上高田村氷川社道草
 ・  井の頭紀行
 ・  成子成願寺・熊野十二社紀行
 ・  小金井・府中再遊
 ・  小日向道永寺・柏木村円照寺 桜のつと
 ・  石神井の道くさ
 ・  藤稲荷に詣でし道くさ
 ・  大宮八幡宮道しるべ
 ・  阿佐谷村神明宮道の記
 ・  代々木村八幡宮道の枝折
 ・  高田村天満宮詣の記
 ・  遅野井村八幡宮参詣、同所善福寺・伊草妙正寺池
 ・  百草道の記 ならびに高畠不動尊詣

北郊:江戸の北側 (未着手)  

 ・  日曜寺愛染王参拝の記
 ・  吹上観音道くさ
 ・  志村に遊ぶ記
 ・  川口善光寺に遊ぶ記
 ・  谷古田八幡官参詣の記
 ・  中山道大宮紀行
 ・  谷中に遊ぶ記
 ・  新曽妙顕寺詣の記

東郊:江戸の東側 (一部着手)  

 ・  下総国府台、真間の道芝  (逆井の渡し~国府台~總寧寺~弘法寺~真間継橋)
 ・  半田稲荷詣の記
 ・  小金の牧道くさ、下総国分寺
 ・  舟堀・宇喜多・猫実
 ・  綾瀬・千住・花又村鷲明神詣の記
 ・  隅田村道くさ
 ・  真間の道芝 中山国台も  (葛飾八幡宮~真間~弘法寺~總寧寺)

南郊:江戸の南側 (一部着手) 

 ・  大師河原にあそぶ記   (永代橋~舟にて~大森~羽田弁財天~川崎大師)
 ・  南郊看花記   (愛宕~増上寺~泉岳寺~御殿山~来福寺~西光寺~八景坂~本門寺)
 ・  羽沢氷川・渋谷八幡・伊勢野 道の枝折   (笄橋~氷川神社~金王八幡~伊勢野)
 ・  上目黒村に遊ぶ記
 ・  明王院に楓を訪ふ記
 ・  岡の秋かぜ
 ・  千束の道しるべ
 ・  瀬田村行禅寺・奥沢村九品仏 道しるべ (青山~宮益坂~二子玉川行善寺~九品仏)

都内一円

 ・  六地蔵まふでの記 (深川永代寺~深川霊巌寺~浅草東禅寺~巣鴨真性寺~新宿太宗寺)
 ・  六阿弥陀道のり (江東区亀戸常光寺~足立区江北延命寺~北区豊島西福寺
     ~北区西ケ原無量寺~北区田端与楽寺~台東区上野常楽院)
 ・  八八幡詣の記  (新宿区市谷亀岡八幡宮~新宿区穴八幡宮~杉並区大宮八幡宮
     ~渋谷区鳩森八幡神社~渋谷区金王八幡宮~港区御田八幡神社~港区西久保八幡神社
     ~江東区富岡八幡宮)

自筆本

自筆本の構成は以下のようになっています。時期、地域はランダムに編集されているようです。なお、下の目次では東洋文庫に従い、◎印は東洋文庫に所収された本文、●印は嘉陵の作でないもの、( )内は自筆本に題名のないものとしてあります。

第一冊
  ◎ (下総国府台)
  ◎ 真間の道芝
  ◎ (小金の牧道くさ)
  ◎ 舟堀・宇喜多・猫実

第二冊
  ◎ 小金井・府中再遊吟遊漫草
  ◎ 神宮寺山の事
  ● 称名寺古碑考(稲葉一作写)
  ● 檜垣女事蹟考(加藤愚山写)

第三冊
  ◎(府中道の記)
  ● 武州惣社府中六所官縁起
   (川崎平右衛門伝)
   (府中の源助)
  ● 六所大明神石鳥居脇制札
  ◎ 井の頭記行

第四冊
  ● 和田戸山の記(佐野義行)

第五冊
    木下川薬師
   (本所平河山法恩寺の開帳)
   (平井村聖天)
  ● 下総国葛飾郡吾嬬森碑
   牛田薬師・関屋天神 手向の尾花
  ◎ 半田いなり詣の記

第六冊
  ◎ 大師河原にあそぶ記
   (北条時頼の石塔)
   (品川寺の鐘)
  ◎ (成子成願寺。熊野十二社紀行)

第七冊
  ◎ 南郊看花記

第八冊
   (六阿弥陀)
    野慈眼堂のうしろ
  ◎ (六阿弥陀道のり)
  ● 木余如来略縁起(板本)
  ◎ 綾瀬・千住・花又村鷲明神詣の記
    飛鳥社

第九冊
  ◎ 川口善光寺に遊ぶ記
  ◎ (志村に遊ぶ記)
   (自鳥神社詣)
    御茶の水
    駒込神明宮社頭の碑
    三河島村十三人
    新堀山
    若一王子典薬躍
  ◎ (日曜寺愛染王参拝の記)

第十冊
  ◎ 羽沢氷川・渋谷八幡。伊勢野 道の枝折
  ◎ (谷原長命寺道くさ)
  ● 長命寺碑(板本)

第十一冊
  ◎ (谷古田八幡官参詣記)
   (湯島古石塔)
  ◎ 谷中に遊ぶ記
  ◎ 滝の川村八幡宮
  ● 浅草寺鐘銘

第十二冊
  ◎ 中山道大宮紀行
  ● 浅間山の記(加茂真淵)

第十三冊
  ◎ 上めぐろ村に遊ぶ記
  ◎ 千束の道じるべ

第十四冊
  ◎ 小日向道永寺。柏木村円照寺 桜のつと
  ◎ (大宮八幡官道しるべ)
  ◎ (阿佐谷村神明宮道の記)

第十五冊
   (駒ヶ原)
  ◎ 岡の秋かぜ

第十六冊
    起類四種(板本)

第十七冊
  ◎ 六地蔵まふでの記
  ◎ 明王院に楓を訪ふ記

第十八冊
    東郊の道くさ(非紀行文)
  ◎ 石神井の道くさ
  ◎ 藤稲荷に詣でし道くさ

第十九冊
    紀伊御館御庭拝見の記

第廿冊
  ◎ (吹上観音道くさ)
  ● 武州豊島郡赤塚泉福寺・真福寺鐘銘
  ◎ (上高田村氷川社道草)

第廿一冊
  ◎ 新曾妙顕寺詣之記
  ◎ (八八幡詣の記)

第廿二冊
  ◎ 高田村天満官詣之記
  ◎ 代々木八幡宮道の枝折

第廿三冊
  ◎ 瀬田村行禅寺・奥沢村九品仏 道しるべ
  ◎ 隅田村道くさ 牛の御前に詣る記
   (隅田川石仏)
  ● 隅田川和歌(板本)
  ● 隅田川木母寺略縁起(板本)
  ● 梅若塚(勁斎筆記)

第廿四冊
    上北沢村牡丹丼深大寺道しるべ
   (正福寺再遊)
  ◎ 遅野井村正八幡宮参詣、同所善福寺。井草妙正寺池

第廿五冊
  ◎ 百草道之記
  ● 高幡不動尊縁起(板本)

第廿六冊
    下総船橋太神官参詣之記(草稿)
  ● 意富日皇太神官略縁起(板本)
  ● 手児奈大明神略縁起(板本)
  ● 手児奈の別記(板本)